象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉准教授(歴史学)は、ことはそう単純ではない、と話す。

眞子さまと小室さんは、他の元皇族のように、結婚後に晩さん会や祭祀に出席することはないと思います。しかし、小室さんが皇位継承順位2位の悠仁さまの義兄となるのは事実です。元皇族の肩書や、天皇家の親族という立場が、『皇室ブランド』のように影響力を保持する可能性はあると思います」

 皇族の結婚相手の背景や人となりについて国民が知る機会がなくなれば、ブラックボックス化する。仮に問題が起きた時、皇室に対するダメージは計り知れないだろう。

「もちろん、皇族に自由意思はあります。だからと言って、『眞子さまの意思を全て聞き入れましょう。自由に結婚してください』という訳には、単純には行かないでしょう。皇族が民間人と同じ条件で、自由意思を認められるのであれば、その存在は、我々と変わらない。皇室の存在意義を失う矛盾を抱えてしまう。皇族にも人権がある、といった憲法上のロジックでは解決できないところに、この問題の難しさがあります」

 自由意思を求めた内親王の結婚問題は、皇室制度そのものに、波紋を投げかけている。

(AERAdot.編集部 永井貴子)