AERA編集部では、花粉症があったり、ある種の食物アレルギーを疑っていたり、カニやエビがダメだったり、といったさまざまな自覚症状のある男女5人で、まずはパッケージ型のIgE抗体検査を受けてみた。

 皮膚科専門医で日本大学医学部附属板橋病院の葉山惟大医師もやはり、「ある程度のあたりはつけられるが、定量的な検査や問診をしないとわからない」と前置きしたうえで、データから類推できることを解説してくれた。

(AERA 2021年10月18日号より)
(AERA 2021年10月18日号より)

 5人中4人が「ハウスダスト」「ダニ」で陽性だが、4人はそれぞれ自覚症状があった。葉山医師は、「都会に住んでいる人にありがちな検査結果」という。

「日本人の約4割が、ハウスダストに陽性になります。が、5や6といった数値は高いですね」

 ハウスダストや、犬やのフケには、空気清浄機が有効なこともある。

 葉山医師は、6だった男性(44)についてこう指摘した。男性はアトピー性皮膚炎がある。

「アトピー性皮膚炎があると、全体的にIgEの値が高く出る傾向があり、疑陽性の場合もあります。おそらくハウスダストとダニは『本物』でしょう。マラセチア(カビ)も高いので、汗によるアレルギーが出やすいかもしれません。まずは皮膚炎の治療を優先するのがよいと思います。他の方も気になることがあれば、アレルギー科を受診してください」

(ライター・羽根田真智、編集部・小長光哲郎、井上有紀子)

AERA 2021年10月18日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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