新型コロナウイルスの流行に、季節性の変化があるのかもしれません。去年の日本の感染者数の推移を見ると、8月に小さな山があり、11月から3月にかけて(1月初旬のピークの)山があるのがわかります。今年の第5波の感染者数は、8月末がピークの大きな山を描いています。昨年同様の感染者数の推移をたどるとなれば、また11月ごろから感染者数がじわじわ増え出すかもしれません。

 2回目の接種から半年も経過すると感染の予防効果が落ちてきてしてしまうことは、イスラエルをはじめとする多くの国で報告されており、ワクチン効果を持続させるための3回目の接種を実施する国が増えています。日本は、3回目の接種がいつから始まるのか、まだ正確なことは決まっていません。

 もたもたしていると、感染者数が再度増加し、夏のような大流行を引き起こす可能性が十分考えられます。今、感染が落ち着いているときだからこそ、2回接種への呼びかけの強化と、接種の早かった医療従事者への3回目の接種の開始、そして高齢者など早期に2回の接種を終えた人から3回目の接種ができるような体制づくりをする必要があると思います。

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

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