◆LINE交換を回避する手段

 LINE交換を誘われた側は「LINEはあまり見ていないんです」や「LINEは家族とのやりとりにしか使っていませんので」と前置きを入れて、別のSNSに誘導してしまうのも手だ。

「LINE以外のSNSのアカウントをどれか1つだけ仕事用に設けておくのはどうでしょうか。LINEのアカウントは1人1つで、複数のサブアカウントを持つような小技を使うのもそれはそれで面倒。どれかのSNSアカウントを仕事用に諦める方が楽かと思います」(石原さん) 

◆LINE交換後の対処法

 すでに職場内でLINE交換をしていたり、LINEのグループに追加されてアカウントが共有されていたりすることも少なくないだろう。

「グループを作られると、部下は常に上司に気を使わなければなりませんよね。上司の中には、意図がわからない花の写真をアップする人がいます。それを誰かが気を利かせて『きれいですね』というのを待っているんですね。そういう人はあまり話題がないので、花とか月、空などの写真を送るのですが、上司は場を和ませようとしていることでも、部下からすると『返事をしろ』という無言のプレッシャーになります」(石原さん)

 また、「不急」と書いておきながら、上司が休日や夜中にメッセージを送るパターンも厄介だ。

「『不急』だったらわざわざ送らなければいいのに、上司が急に思いついたことを『あの件どうなったの』と夜中にメッセージを送ってくる場合もあるようです。送った側は、『忘れないうちに送っておいただけで、すぐに対応してくれとは言っていない』というような自分の都合のいい言い訳をします。でも、読まされる方は、一気にその時点で仕事モードに戻されたり、何か気がかりなことを思い出したりと、気が休まりません。これもハラスメントの一種だと思います」(石原さん)

 すでに職場内でLINEを介したやりとりにストレスを感じていたら、「LINE優等生」を辞めてしまえば肩の荷が下りるかもしれない。

「LINEを全く見ていない人になってしまうのがいいかもしれません。または、ちょいちょい見てはいるけど、返事をめったに送らない人でもいいわけです。きちんと返事をするLINE優等生になろうとすると、ストレスを抱えることになるのです。仕事はちゃんとするけど、LINEに関してはダメな人という定評が広まれば、送る相手も期待しなくなります」(石原さん)

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