料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「秋を彩る柿釜仕立て」。
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割烹のようなちょっとあらたまった日本料理店で出される柿を小鉢に見立てた柿釜。季節を感じる秋らしい演出ですね。ご家庭でも簡単にできるので、ぜひ参考になさってください。
柿はできるだけすわりのいいものを選びます。少し熟れたもののほうが野菜や調味料と和えるのに絡みがいいですよ。
まず上部を4分の1ほど切り落とし、果肉をくりぬいていきます。スプーンを底のほうまで差し込み、回しながら切り込みを入れるときれいに丸くくりぬくことができます。上の部分はフタにするので捨てずに取り置いてください。
中身の材料はすべて同じ大きさの角切りにし、キュウリと大根は塩もみしておきましょう。そして調味料と梅肉で和え、柿の器に盛り付ければ完成です。
柿の甘みとお酢や梅肉の酸味がきいてさっぱりとした風味。キュウリや大根のシャキシャキとした食感も楽しめますよ。目でも楽しめる柿釜。おもてなしの先付けとしてもいかがでしょうか。
(構成/沖村かなみ)
◆秋を彩る柿釜仕立て
【材料】(2人分) 柿2個、キュウリ1/2本、大根30g、塩適量、A(酢小さじ2、レモン汁小さじ1、梅肉小さじ1)
【作り方】(1)柿の上部1/4を切り落とす。柿の果肉をスプーンでくりぬいて器に、ヘタの部分はフタにする。(2)くりぬいた柿、キュウリ、大根をそれぞれ5mm角に切る。キュウリと大根は軽く塩を振って混ぜ、5分ほど置いて水気を切る。(3)(2)の柿、キュウリ、大根をAで和える。(4)柿の器に(3)を盛り付け、梅肉(分量外)を添える。
【ワンポイントアドバイス】柿はなるべくすわりのいい形を選び、スプーンを底まで差し込みくりぬく。キュウリと大根は塩もみしておき、水気を切って柿と合わせて味付けする。
※週刊朝日 2021年10月29日号