87歳の誕生日を迎えた美智子さまと上皇さま(宮内庁提供)
87歳の誕生日を迎えた美智子さまと上皇さま(宮内庁提供)
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 10月26日、いよいよ眞子さま(30)と小室圭さん(30)が結婚される。大事な初孫の旅立ちを前に、上皇后の美智子さまは何を感じているのか。長年、取材を続けてきた皇室ジャーナリスト・渡邉みどりさんが、「お手紙」を通じてその心中に思いを馳せた。

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拝啓 美智子さま

 今月20日、87歳のお誕生日を迎えられましたね。おめでとうございます。右半身にお痛みがあると伺っていますが、具合はいかがでしょうか? 同じく87歳の私は、反対に左半身の痛みを抱えていますが、どうにか耐えつつ過ごしております。

 このたびは眞子さまがご結婚されることとなり、心よりお祝い申し上げます。一連の騒動のなか、ご結婚や皇室へのバッシングも巻き起こりましたが、眞子さまが一時金を受け取らないという潔さを示されたことで、ひところよりも落ち着いたように感じます。

 お祝いの行事を一切行わないことでも話題になりましたが、私は紀宮(現黒田清子さん)のご結婚の際の「飾らなさ」を好ましく思い出します。帝国ホテルでの結婚式・披露宴では仲人をたてず、お食事も3品のあっさりとしたフレンチのコースでした。華美で派手なものとは無縁な美智子さまのご助言もあったのでしょうか。

 礼宮(現秋篠宮)と川嶋紀子さんのご結婚の際は、私たちメディア関係者は大変に驚いたものです。1989年9月12日、昭和天皇の喪中に、日本一の旧家である天皇家が、長男より次男の婚約を先に発表したのですから。

 これまで日本の男性皇族の結婚といえば、宮内庁の関係者がそれとおぼしき人を見つけてお見合いをするのが通例でした。ところが礼宮は、相手を見つけるところからプロポーズまで、すべて自分で動いてお決めになった。

 大学の書店主に冗談めかしく、「誰かいいお嬢さんいませんかね」と尋ねたところ、ちょうど書店に来ていた紀子さまを「川嶋教授のお嬢さんです」と紹介されたのでしたね。そしてひとめぼれ。大学内に「自然文化研究会」を立ち上げ、グループで紀子さまを取り込んでしまったとのこと。若さとは、素晴らしい。

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