18年7月、眞子さまはブラジルを訪れ、移住110周年記念式典であいさつした (c)朝日新聞社
18年7月、眞子さまはブラジルを訪れ、移住110周年記念式典であいさつした (c)朝日新聞社

 若い女性が夢想する「理想の男性像」など、その時々で変わって当然だ。だが、眞子さまは「理想の男性像は普遍性がなくてはならない」と規定している。広辞苑によれば、普遍性とは「すべての場合にあてはまる可能性」。それがないから答えられない、ときちんと答える。

 17年の婚約内定会見で小室さんが眞子さまにプロポーズしたのは、13年12月だと明かされた。この回答の3カ月前にあたり、眞子さまはその場で承諾したという。そのことを隠すため、あえて「普遍性」を持ち出したのかもしれない。が、それにしても眞子さまは真面目で律義な人だと思う。

 19年、佳子さまの卒業時の文書回答を紹介するとこうだ。「理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」

 プライバシーは明かさないという強い意志が伝わってくる。このように本音を隠さない佳子さまは、小さい頃からアイススケートやダンスと皇室の「伝統」とは縁の薄い競技を選んでいる。「したいこと」に忠実だったわけでその点、眞子さまは「天皇陛下(現在の上皇陛下)の初孫」として生まれている。「優等生」になるのも当然で、「本音」や「したいこと」は心にとどめておいたのだろう。

 そんな眞子さまが、小室さんとの結婚で初めて強い意志を示した。そのギャップに世間は驚き、バッシングへとなった。「金銭トラブル」のある小室さん親子から眞子さま、そして秋篠宮家へ。その広がりに眞子さまが自分を責めたであろうことは、容易に想像がつく。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2021年11月1日号の特集「眞子さま結婚 批判の深層」より抜粋

※敬称は取材時のものです

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