10月16日から始まった連続ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」(日本テレビ系)の主演を務める柳楽優弥(31)。中学受験専門の塾を立て直すためにやってきたスーパー講師・黒木蔵人を演じているが、そのビジュアルは原作漫画の主人公そのもの。“憑依型俳優”ならではの仕上がりぶりが、早くも話題となっている。テレビ情報誌の編集者はドラマをこう評する。
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「原作は『ビッグコミックスピリッツ』で連載中の人気漫画で、累計発行部数は200万部を突破。主人公である黒木蔵人のビジュアルにしっかり寄せつつも、柳楽さんの圧倒的な芝居力でしっかり人間ドラマとして成立させています。原作者の高瀬志帆氏は主演が柳楽さんだと決まった時に、ガッツポーズするほど喜んだとか。原作者もお墨付きのハマり役で、柳楽さんの仕上がり方にはスタッフの間でも相当評価が高いそうです。そもそも昨年の夏にオンエアされる予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響で1年以上も延期に。そのぶん、役を作り込む時間はたっぷりあったので、かつてないほどの完成度となったと思います」
柳楽の連ドラ主演は7年ぶり。ただし前回はテレビ東京系の深夜枠だったため、ゴールデン帯での連ドラ主演は今回が初めてとなる。映画ではさまざまな役で存在感を出してきた柳楽だが、主演ドラマでどこまで結果を残せるか注目される。いわば、「二月の勝者」は柳楽のターニングポイントとなる作品なのだ。
柳楽の俳優デビューは早い。是枝裕和監督の映画「誰も知らない」では14歳でカンヌ映画祭男優賞を受賞。華々しいスタートダッシュを飾ったが、しばらくは低空飛行が続いた。
「10代でカンヌを制覇し、将来を嘱望されていましたが、いくつが映画の主演をした後に俳優業を休止しました。洗車バイトや飲食店でホールスタッフなどもしていたそうです。その後、また俳優業を復帰させましたが、転機となったのが福田雄一監督との出会いでしょう。初の連ドラ主演作『アオイホノオ』や映画『銀魂』『今日から俺は!!劇場版』などに出演し、今では福田組の常連俳優となっています。もともと柳楽さんはお笑いが好きで『周りを笑わせたい』という理由で芸能界に入ったそうですが、俳優としてのパブリックイメージは寡黙で真面目でストイック。『デストラクション・ベイビーズ』で見せたような猟奇的で暴力的な役を演じる一方で、福田監督との出会いでコメディー俳優としての才能が開花。以後、コメディー作品にも積極的に出演することで、役の幅は相当広がりました」(前出の編集者)