僕はコロナ禍で苦しむこの1年ちょっと、毎晩、寝る前にエピソードの一回分を読んで寝ています。なんだか、とても落ち着くのです。

 さて、グナシさん。

 27歳のグナシさんにとって、30歳まであと3年あります。グナシさんがどんなに退屈しても平気な人でない限り、3年間、退屈したまま生きるのはとてもしんどいんじゃないかと思います。

 どうですか? グナシさんはもう退屈しない何かを持っているのですか? それとも、ただ毎日、ネットをボーッと見ることで暇つぶしできているのですか? それとも、『ワンピース』を一巻から順番に毎日読んでいるのですか?

 もし、退屈に苦しんでいるのなら、夢とか気力とか向上心とはまったく関係のない、何かに興味を持ってみるのはどうですか?

 とにかく30歳までの3年間、退屈しないで生きられたら、それは素敵な人生だと思うのです。

 その時にあらためてどうするか考えればいいと思います。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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