「若手育成を重要視しており信頼できるコーチ陣に任せたい。本人はあまり語らないが『背番号3』に並々ならぬ愛着がある。タツのあとに背負った選手がチームの中心になるまで時間がかった。複雑な思いで見ていたはず。現在は高橋周平が背負っているが来季がプロ11年目と中堅の域に入る。高橋のあとの『背番号3』をつける選手を含め、中日の顔になれる選手を育てたい。そういった選手が多ければチーム力の底上げにもつながる」(立浪氏に近い関係者)
「中日のトレードマークは『強竜打線』。天才打者と呼ばれた立浪氏は打力の重要性と魅力を熟知している。バッテリーの育成は韓国サムスンで二軍監督を務めるなど指導者として実績抜群の落合氏とメジャー経験もある大塚氏、そして百戦錬磨の捕手だった西山氏に任せる。自身は打撃、守備・走塁コーチなどと連携して野手のレベルアップに取り組むはず。その中から将来の『背番号3』候補が何人も出ればリーグ屈指の打線が組める。やはり打つチームは見ているほうも面白いですからね」(在京球団テレビ局スポーツ担当)
中日の課題は何といっても“貧打”の解消。野手に将来を嘱望されている選手は多くいるだけに、どれだけ彼らを育成できるかが今後のチームの浮沈を左右するのは明白だ。
「『勝利か?育成か?』で球団方針がどっちつかずだった。監督要請時にはその辺の話し合いもしたはず。近年のドラフトでは狙い通りの選手を多く獲得して有望株が揃う。まずは宝庫と言えるほどの若手たちを育てあげること。コーチ陣に対する要求も当然高くなる。数年で戦える選手を育てたあとに優勝争いに絡むイメージではないか」(中日担当記者)
中日には期待の若手が多いのは先述の通り。18年ドラフト1位の根尾昂と19年1位の石川昂弥に加え、俊足が売りの高松渡、走攻守三拍子そろった岡林勇希、堅実な守備は既に一軍クラスとの評価もある土田龍空など、特に野手陣は未来のスター候補が他球団に比べても多い印象を受ける。