自民党の政策とは対照的に、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党の各党の子育て政策は充実している。

 公明党は「出産育児一時金(42万円)を増額」、「0歳から高校3年生までの子どもたちに『未来応援給付』(一人あたり一律10万円相当の支援)を実施」を掲げる。

 立憲民主党は「高校の授業料無償化について、所得制限を撤廃」、「義務教育の学校給食を無償化」、「児童手当の所得制限を撤廃し、対象を高校卒業年次まで拡大」、日本共産党は「児童手当の18歳までの支給、児童扶養手当、就学援助の額と対象の拡大など現金給付を拡充」、「私立高校の負担の軽減をすすめ、高校教育の無償化」などを掲げる。れいわ新選組も「教育は完全無償化、小中学校に無償給食」、「児童手当を2倍、毎月3万円支給。高校生相当の年齢まで拡充」と手厚い政策を訴える。

 各党の政策をみるポイントは何か。末冨教授はこう話す。

「臨時給付金の有無が争点になっていますが、重要なのは恒常的な子育て支援をどう実現するかです。児童手当の所得制限の撤廃や拡充、出産の無償化、教育の無償化にどう向き合っているかがポイント。公明、立憲、共産、国民は子育て世帯に寄り添い、課題に取り組んでいこうとする姿勢が強く伺えます」

 政策の評価には、それがもたらす効果と、実現させるための財源をどうするか、という視点が重要になる。AERA dot.が政府関係者から入手した政府内の政策評価の資料によると、公明党、立憲民主党の政策に対し、政府は一様に厳しい見方をしているようだ。

 まず公明党の「未来応援給付」(高校生以下に一律10万円相当の支援)については「なぜ高校生以下なのか理由に乏しい」「コロナ禍などで年収が減少し、生活が苦しい国民(所得制限)を対象にすべきではないか」「定額給付金の時にも問題になったように、最初に10万円が渡るのは親であることから、貯蓄に回され、消費喚起は極めて限定的であるなど、制度設計として未熟」「『選挙目当て』のバラマキ」という言葉が並ぶ。

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ
財源の確保はどうする