立憲民主党の政策についても「各種制度の無償化や所得制限撤廃など耳あたりのよい政策が並ぶが、恒久財源が必要となるこれらの政策への具体的な財源確保策は『優遇税制の廃止』など抽象論にとどまる」「旧民主党政権時代に『事業仕分け』等で血眼になって財源探しを行い、結局『消費増税』によらざるを得なかった経験を生かせず、再び同様の主張を繰り返すことへの責任感のなさ、見通しの甘さを露呈」とみる。
岡さんはこう語る。
「公明党も野党も『子ども関係には配るぞ』といった姿勢で、バラマキ的な要素が強い。財源を考えるとやりすぎなのではないか、と思います。旧民主党時代では子ども手当を目玉政策として掲げたにもかかわらず、財源が確保できず頓挫した経緯がある。“悪夢の子ども手当”を思い起こさせ、大きな不安があります」
末冨教授は、「臨時給付金は景気対策で、子育て政策とは別」とした上で、教育の無償化など恒久的な財源についての検討の必要性を訴える。
「やるべき政策をまとめると、予算は単年度4~7兆円程度が必要になります。この財源は、金融所得課税の見直しや教育目的の国債である教育国債、厚生年金や国民年金の保険料に上乗せして徴収するこども保険の創設などが考えられる。今後、国会でも財源をどうするか早期に着実に議論されるべきです。これだけ充実した政策を各党が出しているので、岸田首相も応える必要があるでしょう」
次に、大学など高等教育に関する課題について、各党はどのように考えているのか。
大きな課題は、学費の問題だ。私大だけではなく、国立大でも授業料を値上げする傾向が続いている。さらに多額の奨学金や教育ローンを必要とする世帯は多く、進学を諦めるケースや、進学しても卒業後に返済に苦しみ、人生設計に悪影響が出ているケースもある。
自民党の公約には、こうした課題についても目立った言及がなかった。これはどう見るべきか。