
2015年のミュージカル「エリザベート」で競演し、意気投合した山崎育三郎、尾上松也、城田優。3人の名前の頭文字から「IMY」と名づけたプロジェクトの舞台公演の第1弾が11月20日から幕を開ける。AERA 2021年11月1日号で3人にインタビューした。
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――一体どんな舞台になるのか。「中身は見てのお楽しみ」と話す3人だが、4本のオムニバスの物語のうち1本は城田が、3本は福原充則が、それぞれ手がけた。
尾上(以下、松也):IMYとしてこれまでコンサートを2回行ったのですが、1回目のコンサートの冒頭、ちょっとしたコントみたいな台本を優が書いてくれていたんです。優は演出を手がけ、普段から歌詞も書いていますし、以前からたくさんの才能を感じていましたので、僕らとしては優が書いたものをやってみたいという気持ちがありました。
山崎:脚本作りの段階で、福原さんや演出の成河(ソン ハ)さんと打ち合わせを重ねて、最終的に4部作になり、その過程で優に書いてもらったものが面白かった。これをブラッシュアップしながらやっていこうよ、というところでスタートしました。
城田:2人が書けと言うから書きました(笑)。完全にノリだったけどね。
松也:今回の舞台に実際に着手したのは、2019年の終わりごろからでしたね。
山崎:自分たちの感性で面白いと思えるものを創りたかったんです。僕ら3人は、笑うこともくだらないことも含めて感性が近い。「3人が面白いと思う作品とはどんなものなんだろう?」という興味がありました。「世の中に新しい演劇を」ということではなくて、本当に自分たちが面白いものを創りたかった。受け止める方によって全然解釈の違う作品になるのではないかと思います。自分たちと一緒に感性を共有してもらえたらうれしいです。
■他の2人をどう見る?
――取材中も撮影中も各人がちょっかいを出しあったり、尾籠(びろう)な話で盛り上がったり。まるで子どもに帰った3人を見るかのよう。信頼し切った3人は、ほかの2人をどう見ているのか。また、2人に負けない自分の強みをどう考えているのか聞いてみた。
松也:優に関しては、クリエーティブなところです。とても繊細に物事を見てくれる。僕と育(三郎)にはない感覚です。それで僕らは助かっていますし、そこは尊敬しています。
山崎:僕もそう思います。優は役者ですがアーティスト気質。作曲や作詞を始め、ゼロから何かを生み出す力を持っている。役者は基本的には与えられた中での表現です。優はそこにとどまらない、クリエーティブな視点を僕は頼りにしています。