■誰よりも明るく見える

山崎:自分の思いを例えば、曲にするにしても早いよね。急に「これ作った」って曲を送ってきたりするんですから。

城田:ものづくりは僕にとって趣味でもあるので、曲を作ったり歌詞を書いたり、表には出ていないけど今回書かせてもらったプロットのようなものは実はいっぱいあります。物語を書くのは好きですし。2人に負けないことがあるなら、そこに対してのスピードですかね。あとは誰よりも明るく見える、というところは負けないかもしれません。

松也:一見ね。

城田:悩みがなさそうに見せるのは得意です(笑)。

――三人三様の個性で作り上げるオリジナル舞台。今回楽しみにしていることは何だろうか。

松也:成河君の演出は初めてですし、今回出演してくださる3人の女優さん、皆本麻帆さん、清水美依紗さん、キムラ緑子さんとお芝居させていただくのも初めてです。それは純粋に役者として楽しみです。少ない人数の中でできることをやっていくなど、ある種の制限がある中でものづくりをしていくことは大変ですが、とても価値のあることだと思っています。

■新しいものリスクある

山崎:主演をやるような人たちが集まってオリジナルの舞台を制作するということを僕はあまり聞いたことがありません。この舞台は本当にゼロからの作品です。僕たちはオリジナル作品への憧れが強かったので決まった時点ですごくワクワクしました。いつもリスクがあることや、自分が見たことがないものや経験がないものなどに対して、不安になりますし、ネガティブな思いが飛んでくる瞬間もあります。でも、そういうときこそ僕はワクワクするんですよね。新しいことはやはりそこにしか生まれない。29歳までミュージカルしかやっていなかった僕が、メディアに初めてチャレンジした時もいろんなことを言われました。でも、挑戦した人にしか見えない景色はあるし、変わっていくこともある。リスクはあるし、怖いなと思うところにしか新しい世界は開けないというのはいつも僕のテーマですので、そういう挑戦を2人とできるのは楽しみです。

 あとやはり自分たちで作っているので、責任はありますが、より自由です。とにかく稽古場が楽しみだし、いい空気でやっていきたいですよね。

城田:僕が楽しみなことは二つあります。一つはシンプルにこの舞台を自分が楽しめるかどうか。普段僕はすごくプレッシャーを感じて頑張ることに集中し、周りばかりを見てしまい、舞台に立つと自分のことは一切楽しめないんです。もう一つはリアクション。最終的に我々が面白いと思って始めたプロジェクトに対して、どういう人たちが面白いと思ってくれ、賛同してくれるのか。その作品の1本目を見てどんなリアクションが起こるのか。IMYに触発されて、僕らも私たちも何かやろうよっていう自由な場が広がっていく。そういうリアクションがあったらすごく嬉しいですね。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2021年11月1日号

暮らしとモノ班 for promotion
台風、南海トラフ地震、…ライフライン復旧まで備える非常食の売れ筋ランキング