
松也:育は発想力というか、あまり多くは語らないのですが、急に話し出した時の爆発力がすごく面白い。それとコメディーセンス。面白いことを急に言うのが僕にはツボです。一緒にいると飽きないんですよ。2人に共通して言えるのは一緒にいて楽なことですね。本当に気を使わないでいられる。ありがたい存在ですし、数少ない友人の2人です。僕が2人にこれだけは負けないというのは、「藤岡弘、さん(のモノマネ)」ですかね。勝てる自信があります。
山崎:松はこうやってふざけてますけど、頭もいいし気配りができる。周りのことがよく見えている。ジャンルに関係なく頑張っていますが、どこへ行っても活躍できる爆発力みたいなところはすごいなと思いますね。僕が負けないところは、前向きなところ。ネガティブなところは誰にも見せたくないタイプなので。
■安心感を与えてくれる
城田:まさにそこは僕が育に出会った時から何度も助けられているところです。作品においてもそれは安定材料になると思います。育は普段から「どうにかなる」と思わせてくれる。特に、自分がまずいと思ってる時でも、同じ船に乗ってるから「大丈夫かな」って思えるというか。実は最近、そんな彼の中にもいろんなネガティブがあるらしいことを聞いたんですが、微塵(みじん)も感じさせません。僕からすると、神の領域レベルです。
松也は育ほどポジティブではないというか、僕のことを散々いじり倒していたけれど、鎧(よろい)をまとっていただけで実は脆(もろ)かった、ということが最近わかりました(2人とも爆笑)。コロナ禍で本人もそこに気づいたようですが、それは元々彼が持っていた魅力だったと思うし、僕らが仲良くなれたきっかけでもあったと思うんです。松は僕と育三郎のいいところを両方持っているというか、中間のところにいるから(意見が脱線しても)3人のまとめ的なこともできるんだと思う。3人を客観的に一番見ていると思います。
山崎:そうだね。
城田:お仕事に関しても、松也が芸事に関しては一番長くやっていて、僕と育でさえもう20年以上やっていますが、彼は30年やっている。そういうところの、育とは違う、安心感というか、帝国劇場で一緒になった時に言ってもらった「お前は大丈夫だよ」みたいな言葉には説得力があるんです。育三郎とは毛色が違うんですが、松也の優しさや僕を受け入れてくれるところはすごく助かっているし、ありがたいなと思っています。
山崎・松也:優の強みは?
城田:2人に負けないことは、あんまりないよね。ものづくりはだれでもできると思うんです。時間がどれだけかかるかだけかと思っていて。
山崎・松也:できないよ!
城田:ただ、作るのは早いです。