2023年1月2ー9日合併号より
2023年1月2ー9日合併号より

 車いすテニスの小田凱人(ときと)さんの「自分常識力」。22年年間王者に輝いた16歳の新鋭。国枝慎吾さんに憧れ競技を始めた彼のテニスは特別だ。打点、打ち方、考え方、全てにおいて今までの常識を超えている。それは誰も成し遂げたことのないことに挑もうとしているから。目指すは憧れを超すパラリンピック3連覇。凱人さんならできる!

 フィギュアスケートの宇野昌磨さんの「右左脳力」。勝ち負けよりも感じたままに滑ることを大事にしていた昌磨さんを僕は「右脳昌磨さん」と呼んでいた。そんな彼が現在は世界一の座に。かつて「誰かを引っ張るタイプではない」と言っていた彼がトップの責任と期待を受け入れ、世界一に居続けるために練習も私生活もより具体的に行動するようになったという。まさに右左脳昌磨さんにしかできないフィギュアを目指している。

 りくりゅうペア(三浦璃来さん、木原龍一さん)の「ぴったり力」。初の「世界一」にたどり着いた。フィギュアを長い間応援してきた自分にとって日本人ペアの表彰台は想像すらできないことだった。偉業はまさに奇跡の出会いから始まった。初めてペアを組んだ時、全てがピッタリ! 一体感を感じたという。世界一のぴったりペアの思いは一つ、楽しく滑ること。一つの出会いが世界を変える、これほどすてきな出会いはない。

 競泳の本多灯(ともる)さんの「シャチ灯力」。揺るぎない自信が灯さんの魅力。バタフライはパワーも重要だが、上背がないなかでも「自分の泳ぎができたら勝てる」という自信が灯っている。彼が目指しているのは「シャチ」。シャチと同じ泳ぎができたとき、23年の世界水泳を経てシャチ灯としてパリ五輪の金メダルを胸に掲げているはずだ。

 体操の橋本大輝さんの「大きく輝く力」。21年東京五輪で個人総合・種目別鉄棒の2冠に輝いたエース。その後けがもあり苦しむ姿を見てきた。個人総合を制した22年の世界体操もけがを押しての戦いだった。団体は五輪に続いて2位。大輝さんが本当の意味で心から大きく輝けるのは団体の金メダルを獲得したときではないだろうか。パリ五輪では体操日本のリーダーとして、憧れでもある内村航平さんの思いと共に日の丸をセンターポールに掲げてほしい。

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