PTAでは既に多くの作業が「外注」となっている
しかし、件の旅行代理店の提供サービスのリストを見ていると、「今のPTAはもうすでに相当の作業を外部にお金払ってお願いしている」ことに気づく。これらのサービスはもうほとんど私が会長をしていた時に実際に発注したり、そうしましょうと役員会で話していたりしたことだらけなのだ(著書『政治学者、PTA会長になる』、毎日新聞出版、2022年)。
例えば、「広報誌の作成」「ウェブサイトの作成・充実化」「各種行事で配るグッズの制作」「運動会のライブ配信」「出張授業や学習支援」などは丸投げにはしないが、かなりの部分をプロにお願いしている。広報誌の作成などは、保護者に仕事でやっている人が比較的多く含まれているから、ある年度は「仕事として発注」したり、また別の年度になると「大した作業じゃないのでボラで結構です」と言ってくれたりもする。
アウトソーシングは日常の風景
ウェブサイトの充実化などは、コロナ禍では必須課題で、多大な事務を抱えている副校長(PTAにおける教師側の代表)を解放してあげるためにも、書類の配布と記入と提出が全部オンラインでできるシステムにすれば、ほぼ全員がスマホ所有者の保護者は、子供に口うるさく言わなくても、通勤電車の中でおおむね処理を済ませてしまえる。
周年行事のグッズ制作など100%が外注だし、運動会の配信はボラで本業のママパパがワンダフルな仕事をしてくれた。各種講演者へのお願いなども、要は保護者間に著名なスピーカーが見つからない時は(見つかることも多い!)外注だ。
もうPTA活動のほとんどの部分では、アウトソーシングは日常の風景であって、もはや「子供のために身を犠牲にせず金で済ますなど不純だ」などという手作り原理主義者など、この社会(とりわけ都市部)では見かけないはずだ。