ヤンキース時代の松井秀喜
ヤンキース時代の松井秀喜
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 巨人からヤンキースへ入団した1年目オフの03年11月5日、松井秀喜は全米野球記者協会のニューヨーク支部会から『グッドガイ賞』に選出された。この賞はニューヨークを本拠地とするヤンキース、メッツの2チームで最も取材に協力的だったプレーヤーが選出される。日本人選手の受賞は99年の吉井理人(当時メッツ)以来2人目となった。

 今季はエンゼルスの大谷翔平もグラウンド内外での振舞いが注目を集めたが、弱肉強食のプロの世界で“良い人”と認定されるのは簡単なことではない。メディアの先にファンがいることを常に忘れず行動してきた結果だった。松井が引退して10年近くの時が経ったが、いまだに当時の紳士的な言動は米国で高く評価されている。

「巨人時代から取材慣れしていると言われていた。入団後は『そこまでしなくても良いのでは……』と思うほどだった。キャンプ中から毎日、日本メディア用に個別の囲み取材をしてくれた。クラブハウスがオープンになっているメジャーではメディアが選手と直接コンタクトを取れる。選手本人が嫌ならば対応する必要はない。しかし松井は自ら取材場所を設定、嫌な顔せず淡々と答えていたのを覚えている」(在米スポーツライター)

「野茂英雄(ドジャースなど)の1年目も取材したが、本人はあまり話してくれなかった。球団も極力接触させないようにしていた。日本人選手を守る意識が強かったのだろう。吉井の時は本人がどんどん馴染もうとしていたので途中から日本人という感覚なく接することができた。松井に関してはスペシャルな例だった。球団側は露出するのを規制せず全メディアに協力的だった」(米国メディア元ヤンキース担当記者)

 シーズン中は結果が出ない時期も当然あるが松井の姿勢は変わらなかった。普段から2部制に近い形で取材時間が設定され、通常の全メディア向けの後に、日本メディアに対しても時間がとられた。同じような内容の質問が繰り返されることも多かったが真摯な受け答えを繰り返した。

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