爆笑問題の太田光
爆笑問題の太田光

 10月31日の衆院選投開票日にオンエアされた選挙特番での発言で炎上した爆笑問題の太田光(56)。二階俊博前幹事長(当時)には「いつまで政治家を続けるつもりですか?」と斬り込み、小選挙区で落選した甘利明幹事長(当時)にも「ご愁傷さまです」と皮肉る場面は「失礼だ」「言葉が悪い!」と視聴者から大ブーイングが起こった。

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 太田本人はその後のレギュラー番組で「たしかに言葉遣いが悪かった」「テクニック不足は否めない」と平謝り。一方で問題となったシーンはSNS上で多数切り出され、一部では「伝説の生放送」と称賛の声も上がった。太田が謝罪することで幕引きとなった今回の炎上騒動だが、エンタメ界にも少なからず影響を与えた。お笑い番組を数多く手掛ける放送作家はこう語る。

「世間的には賛否両論ありましたが、業界内では総じて太田さんを評価する声が多かった印象です。たしかに太田さんが反省していたように、ひとつひとつの話が長いし、言葉遣いも悪かった。ほかのパネリストに話を振らないのもMCとしては未熟でした。しかし、生放送中に明らかに不快感を示した甘利さん、二階さん、高市(早苗)さんの“素顔”を映し出すことに成功した。また自民党への逆風も強かった時期なので、自民党幹部が太田さんにやり込められて、留飲が下がった視聴者も多かったはずです」

 一部で「太田を起用したTBSが悪い」という声もあったが、太田は「俺が本番でああなるってTBSがわかるわけない」とも釈明していた。

「あれだけの大型生放送特番で、事前打ち合わせもナシに太田さんにインタビュー内容を丸投げするなんて絶対にありえない。つまり、太田さんはテレビ局のせいにはしないで、すべて自分の暴走だと罪をかぶったわけです。これには、テレビ界の人間はなかなか胸アツな展開だったと思います」(前出の放送作家)

 ネット上ではしばらく賛否両論が吹き荒れていたが、同業者である浅草キッド・水道橋博士は「芸人らしい仕事で痛快」とツイッターで称賛のコメント。一方で、松本人志は自身のレギュラー番組で「TVショーとして見た人は面白かったでしょうけど、大半の人は選挙特番として観てるのでお叱りを受けるんでしょうね」と分析しながらも「目上の人に対する(言葉遣い)というのはやるべきだと思う」と反省を促す場面もあった。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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