SBI証券をメインに販売されている投資信託「SBI・V」シリーズに、発売数カ月で個人が殺到している。信託報酬が格安で、中身もシンプル。3種類あるが、それぞれの違いは? 普通の投信とも少し運用内容が異なるようだ。
■個別株ではなくETFをまるっと入れた投信
ネット証券最大手のSBI証券が今年6月29日から運用を開始した米国株のインデックス型投資信託(以下、投信)「SBI・V」シリーズ。ラインアップは信託報酬が0.1%前後に設定された超低コストの投信3本だ。
そのうち「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、純資産総額が約3000億円の人気投信「SBI・バンガードS&P500インデックス・ファンド」を名称変更したものである。
S&P500の投信というと、普通は米国の代表的な指数「S&P500」に採用された500の企業の株を買うが、SBI・Vシリーズは違う。米国上場の「バンガード・S&P500 ETF」(ティッカー<日本株でいうと証券コード>はVOO)が、まるっと入っているのだ。
基準価額は普通のS&P500投信と同じような動き方をするが、株を直接買い付けるのではなくETFが入っている、という点は知っておきたい。
■米国上場の株「全部入り」に高配当も登場
さて、今回、新たに募集をはじめ、設定初日で81億円も集めたのが「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」。こちらの中身は米国のほぼすべての株式に連動する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)だ。
8月31日現在で純資産総額は206億円まで伸び、9月下旬には240億円台に乗せた。勢いが止まらない。
もう一本は「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」。中身は「バンガード・米国高配当株式ETF」(VYM)だ。
米国最大の銀行であるJPモルガン・チェースやジョンソン・エンド・ジョンソンなど、米国を代表する優良企業で市場平均より配当が高い約400銘柄が実質的な投資先である。「全米株式」と「米国高配当株式」の2本は、SBI証券専用の投信だ。