■トータルコストで見るとSBI・V投信に軍配 

 先ほど米国ETFと投信では経費率で米国ETFのほうが安くなると書いたが、経理率とは運用中にかかるコストのことを指す。

 実は米国ETFを買う際には、経費以外に売買手数料(買うときと売るときに発生)と為替手数料(円をドルに替えるときに発生)もかかる。

 投信なら、売買手数料も為替手数料もかからない。つまり「買うときから売るときまで、全体のコスト」を比較すると、投信のほうが安くなる。コスト面では「米国ETFを買い付けるSBI・Vの投信」の勝ちだ。

 結論。効率的な運用を目指し、コストを安くすませたいならSBI・Vシリーズ。ただ、老後に「元本を取り崩さず」に分配金だけを受け取りたい人は米国ETFも悪くない。用途に応じて使い分けよう。

◎藤代竣介(ふじしろ・しゅんすけ)/SBI証券 マーケティング部。投資信託関連業務に従事、2021年3月より現職。運用会社での勤務経験あり

(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)

※『AERA Money 2021秋号』から抜粋

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