AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:仕事の線引きが下手なのか、望むような働き方ができません。職場ではいつもビクビクしていて、相手に合わせるうちに時間が過ぎて、毎日残業で疲れます。「自分のために頑張ってみれば」とアドバイスをくれる人もいるのですが、自分のために頑張るってどういうことですか?(女性/会社員/44歳/みずがめ座)
A:「自分のために頑張る」。これは難しい人にとっては難しいし「それってどういうことなの?」という気持ち、よくわかります。
僕は、自己肯定感が高いことがすべてだと思っていませんが、自分のために頑張ることは、自己肯定感が強い人ができることだとも思うんです。
最近自分でも経験したことなんですが、会話の中でちょっとドキッとする場面があって。僕がもう少し自己肯定感が高かったら「は?」ってなって、「そこまで言われることですか?」と怒りに変えることができたと思うんです。
このまま帰ったら傷が残るだろうな、動揺が広がってもしかしたら寝つけなくなるかもしれないな、と思った時に怒りのスイッチを入れて「それおかしくないですか?」と言えば、その場でモヤモヤを解消することができます。自己肯定感が強い人、自分のために生きている人たちは、言い換えると「今日の私の寝つきを邪魔するものを許せない」人たち。だからその場で言い返して解消しようとします。
傷ついた状態を残したまま、家に持って帰る選択をしちゃう人のほうが自己肯定感が低いし、優しい人なんですよね。やっぱりちょっと損してしまうところがあります。「自分のために頑張ってみれば」というアドバイスができる人は、その場で怒ったり反論したりすることができる人。これは結構はっきりタイプが分かれます。仕事の線引きが下手というあなたも、なかなかその場で言い返せないタイプの人のような気がします。僕と一緒です。