風間杜夫さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・高橋奈緒)
風間杜夫さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・高橋奈緒)

林:ネタバレはね、私も見に行きますから聞かないでおきましょう(笑)。でも、唐さんのことだから、正面切って環境問題とかを取り上げるわけじゃなくて、夢うつつのような感じなんでしょう?

風間:メルヘンというか、僕はおとぎ話だと思ってるんです。これが、切符売れてるんですよ。

林:そうみたいですね。(宣伝用のチラシを見て)りえちゃん、風間さん、六平(直政)さん、元宝塚トップの愛希れいかさんというすごいキャストで、磯村勇斗君というイケメンのこのすてきな男の子が主人公ですか。

風間:そうです。すごくいい子なんですよ。

林:チケットがすごい人気ということですが、古くからの「紅テント」ファンの人ばっかりが見に来るとも思えないし、若い人が唐さんのお芝居を見に来るって、どういう現象なんでしょうね。私も昔、若いとき、唐さんの「紅テント」を見に行ったことがありますけど、もう一回見ろと言われてもつらいですね(笑)。テントの中にギュウギュウ詰めですから。

風間:僕も学生時代に2回ぐらい見に行きました。麿赤兒さんのような怪優奇優がテントの中を走り回って、正直当時の僕には、わけがわかりませんでした。若い人たちは「アングラ」なんていう言葉を知らないかもしれないけど、それでも、このような芝居を体感したい人が多くなっているんじゃないですかね。

林:そうかもしれませんね。

風間:60年代後半から70年代の第1次アングラブームは、新宿騒乱が起きたり、学生と機動隊とがしょっちゅうぶつかったりと、政治的な状況とパラレルで起こりました。テントの中も一触即発で、芝居を見た後の若者が、その足で機動隊に石を投げに行くんじゃないかというような、異様な熱気を帯びていましたよね。今はそんな時代じゃないですから、今度の「泥人魚」も、演出の金さんは、唐戯曲を美しい一編の叙情詩として、きれいにつくってますね。

林:唐十郎さんのお芝居って、やっぱり難しいですか。

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