5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.14 キッチンがハブになって家族が再生

夫+子ども3人/会社員

かつて“夢の島化”していた頃のアイランドキッチン。インパクト大……/Before
かつて“夢の島化”していた頃のアイランドキッチン。インパクト大……/Before
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 家庭だけで子どもを見る時間が増えました。女性たちの片づけ問題を聞いていくと、同時に子どもの悩みも抱えている人が増えているようです。

 昨年秋のプロジェクトに参加した京子さんもその一人。新卒で入社した会社に、約20年、フルタイムで勤務する3人の子どものお母さんです。

 家事や子育てをするのは主に京子さん。夫とは「互いの人生を尊重しながら、協力して子どもたちを支えていく」はずだったのですが、理想通りにはいかず、家事をめぐる衝突をくり返してきました。

「もう何年も、『どうして私ばかりが家事をしているんだろう。会社員として同じくらい働いているのに』という気持ちがぬぐえなくて」

 パートナーシップが成り立たないむなしさや不公平感を抱えこみ、ちょっとした片づけもできない。やがて、部屋は物であふれていきました。

 家の中がもっとも荒れていた2年半前、中学3年生の息子が突然不登校に。

「きっかけは、ささいな言い争いでした。勉強も部活も頑張っていたのに、親と話をしなくなって、受験もしないで部屋にこもってしまいました」

 息子は時に大きな声を出して暴れ、母やきょうだいに暴力をふるい、壁にはいくつか穴が空きました。彼が16歳の年はコロナ禍。家にいることが増えても、夫の関心は子どもに向きませんでした。

離婚して状況をリセットすることも考えました。でも、子どもが不登校のなか、もっとみんなにとっていいやり方はないのかなと思って。片づけが解決につながるとは思わないけど、子どもたちに快適な環境を与えられていない、片づけたい、という思いはずっとあったんです」

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アイランドキッチンが文字どおり“夢の島化”