
体力、技術、すべてにおいて「ずば抜けている」と断言するのは、野球解説者の江本孟紀さんだ。
「からだつきもいいし、ピッチャーやっても投げられて、バッターやっても打てるという、今までにないタイプ。けがさえしなければ……の話になりますが、来年も成績が下がることはないと思います。今年のシーズンで監督の方針と照らし合わせながら、自分のペースがわかったと思う。ピッチャーは2ケタ、あと今年低かった打率は2割7~8分くらいを目標にするといいと思いますね」
来年を迎えても、大谷はまだ27~28歳という若さ。この調子で活躍しながら、100勝、1千本安打など、さまざまな目標を一歩一歩クリアすることを積み重ねていけば、さらに前人未到の活躍も期待できると江本さんは言う。そして何より気を付けなくてはいけないのが、やはりけが。
「一にも二にも故障しないことが大事。日本と違ってメジャーリーグはシーズン162試合という長丁場。長距離の移動も多いので、そんなメジャーリーガーの環境に対応できる体制を作ることが必須です。結婚? 生活のリズムを整えるためには、いいと思うけどなあ」
4番ピッチャーが少なくない高校野球では、二刀流の選手も珍しくない。大谷の活躍をきっかけに、プロ野球でも二刀流を目指す選手が増えるかもしれないと予測する。
「そうなったら野球がもっと盛り上がるかもね。もちろん簡単なことではないけれど、野球の未来を背負った大谷選手には、自分流に工夫して、今の状態を一日でも長く続けてくれたらいいなあ」
(ライター・福光恵)
※週刊朝日 2021年12月24日号より抜粋