そうこうしているうちに11月25日、私たちのアパートがロックダウンされました。上海は人口2500万~3000万人くらいですが、(北京オリンピックを前に)コロナの感染者が数人でもロックダウンされる厳しい状況なのです。
この日以降、妻はアパート内に隔離され、私は仕事場からアパートに帰れなくなったため、(職場近くに泊まる)私だけがニャジラに面会にいっていました。その2週間後にロックダウンが解除され、12月9日に私はアパートに戻ることができました。
妻は「ロックダウン解除から1週間の健康観察期間」を課されているため、16日まではニャジラの面会を控えています。ですから、妻は現時点(14日時点)で病院からの動画や、私がお見舞いに行った際にビデオ通話で様子を見ている状況です。
◆「日本人だと思わなかった」ニャジラが日中友好のかけ橋に
闘病中のニャジラですが、私たちにもたらしてくれたものがあります。
私たちがニャジラを保護したのは昨年12月ですが、その時、他の住人が心配することを考えて、アパートの警備員や掃除スタッフの方々に「あのボス猫は私たちが家に迎えるために病院に連れて行きます。誰かに聞かれたら、そのように答えてください。」とお願いをしていました。
しかしこの情報は当時、十分に浸透していなかったのです。それである中国人夫婦を慌てさせてしまいました。
ニャジラが最初の入院をしていたある日のこと。妻が他の地域猫のお世話をしていたところ、突然、中国人女性2人が話しかけてきたのです。2人は親子でした。
彼女たちは、「大黄(だーほぁん)のこと知ってる?」と妻に聞いてきました。「大黄」とは、まさしくニャジラのことでした。
姿が見えなくなったニャジラを、ずっと泣いて探し回っていたというのです。誰に聞いても見つけられず、「猫と遊んでいる外国人夫婦がいる」といううわさを頼りに、コンタンクトを取ってきたのでした。