美智子さまは、電話の向こうにいた末盛さんに、やや真剣ともとれる様子で問いかけをなさる。
「おかしいかしら」
末盛さんは、思わずにっこりして答えた。
「私たちの間でしたら、それは、『ごちそうさま』という感じですよ」
上皇さまの言葉は、うれしくも、繰り返しおっしゃるので不思議に感じたーー。そう話す美智子さまに、末盛さんはこう添えた。
「(上皇さまは)心からそう思ってらっしゃるのでしょう」
9月に天皇ご一家が皇居の新御所に引っ越をしたあと、おふたりは旧赤坂御所を下見に訪れている。仙洞御所となるこの建物はいま、エレベーターや手すりをつけるなどのバリアフリー化の工事が行われている最中だ。
来年の春には、おふたりが、結婚から33年間を過ごした思い出の住まいに移ることになりそうだという。(AERAdot.編集部 永井貴子)