振り返れば、眞子さんの婚約が内定したのはまだ平成の世の2017年だった。美智子さまは、「初めての孫だから、かわいくしてあげたいわ」と周囲に漏らし、結婚の準備を楽しみにしていた様子だったという。
秋篠宮さまは、11月末の誕生日会見で、眞子さまの結婚について、美智子さまが意見や考えを持っていたことはない、と強く否定している。
上皇ご夫妻を知る人物は、こう話す。
「言葉には出さずとも、いち祖父母として孫を案じ幸せを願っておられることは自然と伝わります。それは、ごく自然なことです」
また、美智子さまと20年以上の親交がある、絵本編集者の末盛千枝子さんは、10月頃に美智子さまと電話で話をしている。末盛さんの半生をつづった著書、『私を受け容れて生きる―父と母の娘―』が文庫化された際、そのなかに美智子さまに関係する記述もあったため、お住いに送ったところ、お礼の電話があったという。
「はじめは、小さなお声でしたがしばらくお話するうちに、お声にも張りが出てお元気そうでした」
その電話では陛下との穏やかな時間について口にされていたという。
「陛下を赤坂に連れてお戻りになるのを、ご自分の務めとして真剣に、同時に楽しみになさっている、といったご様子でした」(末盛さん)
上皇さまと美智子さまが、入居する予定の「旧赤坂御所」は、おふたりが結婚してから33年間を過ごした思い出の場所である。
2019年ごろ、末盛さんは美智子さまからこんな話を聞いている。
1959年におふたりが結婚してから60年目の節目にあたる年だった。 上皇さまは一日の終わりに、美智子さまに穏やかに語りかける。
あなたと結婚できて、自分は本当に幸せだったーー。
そういった風の言葉だという。
あなたもそう思ってくれているといいのだけどーー。
妻への愛情と敬慕に満ちた言葉。それは、度々繰り返された。