
今季限りで退団した選手たちの移籍先が発表されている。日本ハムを自由契約になった大田泰示はDeNA、西川遥輝は楽天に移籍が決定。支配下では楽天を退団した藤田一也がDeNA、ソフトバンクを退団した川島慶三が楽天に入団することが決まった。
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ただ、移籍先が決まる選手は一握りだ。12月8日にメットライフドームで開催された12球団合同トライアウトで33人の選手が参加したが、現時点では巨人を退団した古川侑利が日本ハムに育成枠で入団が決まった以外、NPBの球団から獲得オファーが舞い込んできた選手はいない。シビアな世界で、この男もまだ来季の所属先が決まっていない。かつては侍ジャパンで守護神を務めた元楽天の牧田和久だ。
「37歳という年齢がネックになっているのかもしれない。球威も以前よりなくなり、今年は直球をはじき返されるケースが目立った。あとは一匹狼的な性格も獲得を検討する上で影響しているかもしれない。職人気質で若手をまとめるリーダーのようなタイプではない。それでも、先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面にきっちり対応できる投手なので貴重な存在だとは思います。救援陣が弱い球団は一考の余地があると思いますが…」(スポーツ紙デスク)
希少価値のアンダースローから速いテンポで投げ込む。唯一無二の高度な投球技術でフォームに強弱をつけたり同じ球種でも球速、曲がり幅を変えたりと創意工夫を重ねて結果を残し続けた。西武では入団1年目に守護神で22セーブ、2年目に先発で13勝、その後はセットアッパーで「勝利の方程式」を担うなど、チーム事情に合わせてフル回転した。2017年オフにポスティング・システムで米国・パドレスに移籍。メジャーでは不本意な成績に終わったが、19年オフに古巣の西武、阪神、楽天が獲得に名乗りを上げて争奪戦に。牧田が3年ぶりの日本球界復帰で選んだのは楽天だった。
ボールの大きさや重さ、縫い目の高さ、滑りやすさ、マウンドの土の硬さなど日本とメジャーは相違点が多いことから、日本復帰1年目から活躍するのは難しい。その中で20年に52試合登板で2勝2敗2セーブ22ホールド、防御率2.16をマークときっちり結果を残す。だが、今季は17試合登板と激減し、0勝0敗2ホールド、防御率3.31。イースタンでは29試合登板で2勝1敗3セーブ、防御率0.33と状態が悪いわけではなかったが、1軍の救援陣が充実していた事情もあり来季の構想から外れる形となった。