深澤が「けっこう、ツメツメだね」、向井康二が「攻めてるよ!」と言う通り、ライブは全29曲の濃密な構成。ファーストアルバム「Snow Mania S1」収録の12曲すべてに、「360m」「ADDICTED TO LOVE」「P.M.G.」と個性豊かな3組のユニット曲などに加え、ジャニーズJr.時代のオリジナル曲も複数含まれる。アルバムには収録されなかったものの人気の高い「Cry out」が組み込まれるなど、ファンの声をできるかぎりすくい取ろうとする彼らの意志を感じる選曲で、うち11曲が岩本による振り付けだ。
また、阿部が考案したという、メンバーがアクリルボックスに入って歌い踊る「Super Sexy」のセット“スノインザボックス”、「Grandeur」前にラウールが深澤を突き飛ばす振りをして床に転がすくだり、5枚目のシングルで目黒蓮主演のドラマ「消えた初恋」の主題歌でもある「Secret Touch」の披露後に始まる佐久間と向井のミニコント「消えたさくこじ」、向井が踊りすぎて「へろーへろーだよ!」と駄々をこねる「HELLO HELLO」への導入……細かな演出は公演や会場によって変わっているものの、随所に、メンバーが思いを込めてさまざまなアイデアを出したのであろうことも感じられた。
飽きさせる間もなく迎えた、本編のラスト前。「Snow Manはですね、恥ずかしがりやさんが多くて、なかなか気持ちを伝えることができないので、最後、僕たちの気持ちをこの歌にのせて届けたいなと思っております。どうぞ」という深澤の言葉に続いて流れたのは、繰り返される「ありがとう」のフレーズが印象的な「GRATITUDE」だった。デビューから1年9カ月で彼らが打ち立ててきた記録には目を瞠るものがある。だが、この曲の歌詞にあるように、眼前に広がる「まだ果てしない未来(そら)」を、この先もずっとファンに届けてくれるに違いない。