BTSが韓国・釜山で無料コンサートを開催した。まもなく兵役に入るメンバーもおり、7人全員がそろう姿は当面見られなくなる。世界が注目する中、彼らは「未来」を語った。AERA 2022年10月31日号の記事を紹介する。
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世界的な人気を誇る韓国の音楽グループBTSのコンサート「BTS <Yet to Come>in BUSAN」が15日、韓国・釜山(プサン)で無料で開かれ、世界中から「ARMY(アーミー)」(BTSファンの呼称)が集結した。2030年の国際博覧会(万博)を釜山に誘致するためのPRの一環だが、ソロ活動を本格化させた7人が“完全体”の姿で登場し、その後メンバーの軍入隊が発表されたこともあり、ARMYにとっては格別な意味を持ったコンサートとなった。
■街全体が紫に染まる
この日、釜山は街全体がBTSのシンボルカラーの紫で包まれた。ARMYたちは紫色の服や靴、マスク、アクセサリーを身に着けて街を歩き、釜山市庁や広安大橋、釜山タワーなど市内のランドマークが紫色にライトアップされた。
会場となった釜山アジアード主競技場には約5万2千人が集まり、午後6時、メンバーが登場すると大歓声に包まれた。コンサートは、予定されていた90分を大幅に超えて約2時間にわたり、アンコールまで19曲が披露された。参加したファンの女性は興奮気味にこう語った。
「しばらく完全体のBTSに会えないかもしれないという切迫感で、メンバーの登場前から泣いてしまった。コンサートは大満足です! 新曲の『RUN BTS』が特に良く、本気のダンスを見せてもらった」
さらに、釜山港国際旅客ターミナルと海雲台海水浴場では、大型スクリーンを通したライブビューイングも行われ、計約1万2千人がBTSの歌とダンスに酔いしれた。コンサートはオンラインでも配信され、ライブストリーミングは229カ国・地域で再生数4907万回に達した。日本からオンラインで見たというファンの男性はこう話した。
「激しいダンスにびっくりした。ちゃんと新しい部分を見せてくれるところに感激した」
コンサートは釜山への万博誘致が目的だったこともあり、釜山のアピールもあった。メンバーそれぞれが生まれ育った故郷を表現した「Ma City」を歌う前に、釜山出身のJIMIN(27)は「釜山でのコンサートでこの曲を外すわけにはいかない。ウェルカム・トゥ・マイ・シティー!」と叫び、同じく釜山出身のJUNG KOOK(25)は釜山の方言であいさつした。