英語スピーキングテストの事業者との打ち合わせ資料について、開示請求人taka1984さんが都教委に開示請求したところ、ほとんど黒く塗りつぶされていた(撮影/編集部・深澤友紀)
英語スピーキングテストの事業者との打ち合わせ資料について、開示請求人taka1984さんが都教委に開示請求したところ、ほとんど黒く塗りつぶされていた(撮影/編集部・深澤友紀)
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 都立高校の入試に新たに導入されるスピーキングテストをめぐって、現場に混乱が起きている。何が問題になっているのか。AERA 2022年10月24日号より紹介する。

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 タブレット端末を用いた英語スピーキングテスト「ESAT-J(イーサット・ジェイ)」が、今年度から都立高校の入試に導入される。都内の公立中学校の3年生は11月27日にこのテストを実施。点数は合否判定にも利用される。実施が近づくにつれ、受験生や保護者、教員らから反対の声が強まり、複数の署名運動も行われている。

 ベネッセコーポレーションと東京都教育委員会(都教委)が共同で実施するこのテストは、タブレットに音声を吹き込む形式で行われ、受験生約8万人の音声はフィリピンに送られ、採点される。何が問題なのか。

■「情報がほとんどない」

「そもそも、このテストに関する情報がほとんどないんです」

 と話すのは、中学3年生の受験生を持つ保護者。

「子どもが学校からもらってきたプリントも、たいした説明のないA41枚程度のものです。複数の高校へ見学に行きましたが、『内容はわからないけど、加点対象になります』という説明だけでした」

 なぜ、学校側は説明をしないのか。教師たちは「学校にも情報がない」と口をそろえる。

「中学には、小出しに文書が送られてきたり、メールで通知がきたりして、その対応をする時間の余裕が全くない。穴を埋めるように連絡があり、非常に迷惑」(調布市内の中学校教諭)

「都教委は十分に周知したと述べているが、『スピーキングテスト実施』という以外、結果の活用法や不受験者の扱い、試験体制といった詳細な情報は今年度になってから場当たり的に発表されている。準備が整っているとは到底言えない」(都内私立高校の男性教諭)

■他人の点を割り当て?

 スケジュールの不備を指摘する声もある。都立高校受験予定の文京区の中学3年生は言う。

「願書を提出する2週間前ごろに、(11月の)テストの結果が届きます。『点数によっては志望校を変えなくてはならないかも』と母から聞いて心配です」

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