白羽あいさん
白羽あいさん

 出場者のプロフィルを見ると、「7児のママ」(宮原由香さん=40)、「中国から来日して14年目の起業家」(孫さん=36)、「元劇団四季俳優、3児のママ」(齋藤さやかさん=37)、「双子で出場」(エリナさん・ミユキさん=35)、「元国際線キャビンアテンダント」(中田範子さん=67)ら、まさに百花繚乱、多士済々だ。

 審査はステージでのウォーキング40秒、スピーチ20秒の計1分の一発勝負。それだけに、度胸も必要だ。

 白羽あいさん(31)は18年11月27日、不慮の事故のため左腕を付け根から切断した。キラキラと輝くシルバーのドレスをまとったステージでは、満面の笑みで軽やかにランウェーを歩き、ポーズを決める様は見ていてカッコいい!! 真っ白い肌に残るピンク色の手術痕は隠すこともなく、むしろ観客にアピールしていた。

「事故の前後のことは記憶がなくて、病院のICUに救急搬送されて意識が戻ったのは2日後だったんです。腕がないことが気がついても、私自身は“生きてて良かった”とホッとした気持ちが大きくて、むしろ広島の実家の両親や、愛媛に住んでる10歳上の兄が気をもんでいました」

 約3カ月の入院・治療を経て退院。大阪市内でショーダンサーをしていたが、元の職場には復帰できず、新たな仕事を求めて19年4月に上京した。

「当てがあったワケじゃありません。気分を一新したかったのと、東京なら何かチャンスがあるんじゃないか? そう思ったんです」

 下町に住まいを決め、以前から関心があったシンガー・ソングライターを目指して芸能事務所に所属し、オリジナル曲を作り始めた。

「専門的に習ったわけではないので、そうそう簡単にはいかず、これまで音源としてほぼ完成したのは3曲ほど。お気に入りのロック系オリジナル曲『自分らしく』は、YouTubeの『白羽ちゃんねる』に今年5月アップロードしました」

 今年2月から、ターボジャブと呼ばれるミニロケット状の投てき物を投げる陸上教技『ジャベリックスロー』に挑戦。10月29~31日に宇都宮市で行われる第22回全国障害者スポーツ大会にも出場が決まっている。

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