1983年、「メリーアン」の大ヒットで一躍全国区になった、THE ALFEE(以下、アルフィー)。それまでアコースティックグループとしての印象が強かったが、ハードなバンドサウンドが加わったことでロック色の強いグループに変貌したイメージがあった。74年にシングル「夏しぐれ」でデビューして苦節9年。「メリーアン」発表の少し前、グループにいったい何が起きていたのか? なぜ、ハードなサウンドを取り入れていこうと決めたのか? 10 月 5 日に発売となるDouble A Side Single「星空の Ceremony / Circle of Seasons」を機に、アルフィーの分水嶺を探ってみた。
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高見沢俊彦:大学時代、みんなで麻雀で集まるときは、レコードを持ち寄ってかけていたんです。僕はロック系が多くて。それぞれのレコードでお互いに影響しあうっていうのはありましたね。僕らの世代ってみんな同じものを聴いていたのである程度知ってはいるんです。「ユーライア・ヒープ」「ディープ・パープル」とか。
坂崎:(アルフィーの)スタートはアコースティックですけど、それはギター1本でできるからで。
高見沢:アコースティックでやっていた時代が長いんですけど、あるときから、ライブでお客さんが総立ちになってステージの前に出てくるようになったんですよ。アコースティックなんだけど、アップテンポの曲になると総立ちになるので、それに対応する曲を作ってみようかなという発想から、ハードなアルフィーを入れてみようと。
桜井賢:別にここからハードロックを入れていこうとか……。
高見沢:決めてないよな。
坂崎幸之助:いつの間にか、ですね。
桜井:ライブハウスで演奏しているときはドラムを入れたりエレキギターを弾いたりしていたので、サウンドがハードになっていくことに特別な意識はなかったですね。
高見沢:ライブを重ねるごとにサウンドの幅を広げたいというのはありました。ロックの要素を取り入れることで緩急のあるライブができるなと。
桜井:ただひとつ言えることは、だんだんハードになってくる兆候として、相当、(高見沢に)ハードなものを聴かされました。長い時間をかけて。あれは洗脳?(笑)
坂崎:マインドコントロール(笑)。