──初の日本武道館公演を目前に控えた1983年6月。アルフィーは16枚目となるシングル「メリーアン」をリリースする。「アルバム用に作られた曲」(高見沢)だったが、レコード会社の担当ディレクターがシングルに選んだ。
桜井:ヒットするとは思わなかった。
高見沢:思わない、思わない。思わないよ。
坂崎:6月に発売して「ザ・ベストテン」(TBS系)などに出始めたのが9月の頭ですね。ヒットするまで時間がかかったんです。
桜井 ベストテン番組って、出たくっても出られない。嬉しいことに応援してくれる人がいるから、出ないってわけにもいかないけど、ツアーがあるからスタジオに行けずに、コンサート会場からの中継が多かったんですよね。
坂崎 ベストテンって、トータルの評価ですから。
桜井 売り上げだけじゃなくてね。
坂崎 レコードは売り上げより、リクエストが多かったんですよ(笑)。出てくれっていう。それはやっぱり出ないわけにはいかないし。
桜井:武道館公演が終わったあとにヒットしたから「メリーアン」を知らない人たちが武道館のチケットを持っていて、「メリーアン」で知った人たちはもう武道館に入れなかった。
──初の武道館公演には、古くからのアルフィーファンも度肝を抜かれたことだろう。ステージにはマーシャルアンプのキャビネットが高く積まれ、グループ初となるプロモーションビデオが来場客に配布された。その大事な一曲となったのが「ジェネレーション・ダイナマイト」である。同年9月発売の7thアルバム「ALFEE’S LAW」のオープニング曲を飾る超絶ヘビーなメタルナンバーだ。
高見沢:この曲をアルバムの1曲目にもってくるかどうかが分岐点ですよね。今までのイメージを払拭するようなものにしようということで。レコード会社と侃侃諤諤ありましたね。
坂崎:アルバムの1曲目はアルバムの色を決定づけますからね。プロモーションビデオもハードロックでした。
桜井:炎が燃え上がる(笑)。
坂崎:僕らは楽しんで面白がってやっていましたよ。これはフォークグループじゃできないでしょう(笑)。
桜井:できないね。