
──かつ、高橋容疑者の電通への貢献は過去のものではない。
「高橋氏はスポンサー企業からのお金をすべて懐に入れているわけではなく、必ず電通を1回通してお金を落としている。AOKIがスポンサー料の先払い名目で2.5億円を高橋氏のコンサル会社『コモンズ』に支払ったときも、その前に電通の子会社を通して2千万円を落とした。電通にしてみれば『この人と付き合ってたらラクだな』となるわけです」
──手数料が2千万円。かなりの額だが、「高橋さんの案件」だから電通への実入りが大きいということはないのだろうか。
「高くもなく安くもなく、でしょう。電通の管理進行料は通常20~30%。KADOKAWAがスポンサーになるために3億5千万円かかると試算され、2割の7千万円ほどがコモンズ2にコンサル料(手数料)として、残りがスポンサー料として組織委へ、とされているのも同様です。全体で流れる金額のうちの20~30%が手数料の『相場』なわけです」
──いま表に出ているのは氷山の一角かもしれない、とも言う。
「オフィシャルサポーターの枠は五輪開催が近づいた18年ごろからばたばたと決まっていき、金額もまちまち。高橋氏のやりたい放題で、その小遣い稼ぎのために作られたカテゴリーにすら見えてしまう。パーク24の実態はどうなのか、大広を通じて他の企業が出てこないかなど疑惑は尽きない。他にもあるのではと考えるのが普通です」
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年9月26日号