果樹園のイベントに参加した(前列左の)塚越栄光さん、(後列右の)長田卓也さんと、長田さんや後輩の家族/福島県飯舘村(photo 塚越栄光さん提供)
果樹園のイベントに参加した(前列左の)塚越栄光さん、(後列右の)長田卓也さんと、長田さんや後輩の家族/福島県飯舘村(photo 塚越栄光さん提供)

ぼくたちはもがく世代

 7月には後輩の家族が宮城県から移住。来春には愛知県の2歳下の知り合いもやってくる。

「自分も村の農業家にぶっつけ本番で飛び込んで、いま農業とはなにかを学んでいます。後輩たちの新規就農をどうするかも研究・準備中。ぼくたちは、新たな選択を模索して『もがく世代』じゃないかと思っている」

 イベントが開かれた果樹園には、リンゴとサクランボの苗木が合わせて40本植えられた。ハチ公で知られる東京・渋谷公園通り商店街の関係者も参加した。今後は子どもたちが草刈り、枝払いをして、「オーナー制度」の導入も検討している。塚越さんが飯舘特産の花で結ぶ交流を続けてきた流れに、新たな歴史が重なることになる。

(ジャーナリスト・菅沼栄一郎)

AERA 2022年9月12日号

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