この戦争は、中国のミサイル攻撃で始まる。米国は直ちに参戦するが、その対応の大部分は日本の基地から行われる。日本は当初は中立の姿勢をとるが、在日米軍基地が攻撃されるので、その時点で参戦する。日本は強大な軍備を有する。参戦後の自衛隊は国外における攻撃作戦まで行うという想定になっている。
もう一つ重要なのは、この戦争で、米軍は270機、日本は112機の戦闘機を失うが、そのほとんどは「地上戦」による。空中戦ではなく、基地に駐機中にミサイルで爆破されるのだ。ミサイルが雨あられと日本の領土に飛んでくることが想像できる。民間の被害に言及はないが、誤爆や迎撃して落としたミサイルで基地周辺に大きな人的・物的被害が出るのは誰にもわかる。日本が本格的な戦場になるのだ。
中国の国内問題に介入し、日本が戦場になるという理不尽なことが起きる原因は、日米同盟だ。これを守るために基地使用を断れないと言う。
日本の国民を守るための日米同盟だったはずが、日米同盟を守るために日本国民が殺される事態に陥った。今こそ、その矛盾に気付くべきだ。
※週刊朝日 2023年2月3日号