



4人ずつに分かれての即興コーナーのあとは、「ODDINARY」に収録されているユニット曲を披露した。
バンチャン、リノ、スンミン、アイエンによるバラード曲「Waiting For Us」では、4人の伸びやかな歌声が堪能できた。スンミンが「最近J-POPに興味を持っている」と話し、Official髭男dismの「Pretender」を美声で歌い上げる一幕もあった。
一転して、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックスによる「Muddy Water」では、ワイルドでソリッドなラップとダンスを爆発させた。
JAPAN 2nd Mini Album「CIRCUS」のタイトル曲「CIRCUS」では、軽快でトリッキーなビートに合わせて、8人の歌、ラップ、ダンスの表情が、万華鏡のようにクルクルと変わった。
プレデビューシングル曲「Hellevator」でダークな音像で混沌に引きずり落とした後、「TOP -Japanese ver.-」で高みに上り詰め、「勝戦歌」と書かれた旗が映る前でアグレッシヴに踊り、勝利の快哉をあげる「Victory Song」という高低差のある流れも素晴らしい。
日本語のラップでメンバーそれぞれのキャラクターを順に紹介していく「FAM」の後、「MIROH」では、銀テープが放たれ、大盛り上がりの中、メンバーは「楽しいですね~」と口にしていた。
エンディングは、バンチャンが「STAYのエナジーはすごいですね」としみじみ話すところから始まった。サプライズで日本のSTAYからのメッセージがヴィジョンに映し出される。その後、観客が入場時に配布された「おかえり」と書かれた青いスローガンを掲げると、「すごくきれい!」「海みたい!」と喜ぶメンバー。
■いつも聞きたい言葉
「“おかえり”という単語はいつも聞きたい言葉です」
そう、バンチャンが言った。「僕たちはいつも戻ってきますよ、という意味ですよね?」と呼びかけると、温かい拍手が起こった。メンバーそれぞれがオーディエンスに感謝と愛を、日本語だけではなく、英語や韓国語も交えて伝えた。チャンビンは「また必ず戻ってくること」を約束した。
締めは8人が笑顔で「Star Lost」「Haven」を歌い踊り、最後の時間を楽しんだ。バンチャンは「また来ます! 約束!」と力強く再会を誓った。
全米1位という快挙を成し遂げたにもかかわらず、おごりは一切感じられなかった。さらにパフォーマンスの精度を上げ、ユーモアを持って、超一級のエンターテインメントを届けてくれた。再会へ、はやくも期待が膨らんだ。(ライター・小松香里)
※AERA 2022年8月15-22日合併号