



黒を基調とした衣装に着替えた8人にファンキーなビートが降り注ぐと、始まったのは「Back Door」だ。米「TIME」誌による「2020年のベストソング10」でK-POPから唯一選出された楽曲だ。
ふたり向き合って腕を斜め上に掲げ、腕で作ったゲートを次々とメンバーが通り抜け、ドアを勢いよく叩く仕草をする。そんな独創的なダンスが印象的だ。アイエンが腕のゲートをくぐるとき、いたずらっ子のような笑顔を浮かべたり、ヒョンジンが投げキッスをしたり、見事なシンクロに加えて、メンバー思い思いの表情や振りも見られるのがライブならではだ。
民族音楽調の旋律が聞こえ、4人編成のバンドが登場。韓服風の羽織をまとった8人が現れ、チャンビンのパワフルなラップから始まる「Thunderous」を披露した。途中チャンビンが「俺様の名前はなんだ?」と問いかけ、チャンビンの名前が知りたいか知りたくないかを巡っての日本語のユーモラスなやりとりを挟みながら、雷鳴のようなヘビー級の音像を叩きつける。LEDライトが降下するセンターステージに向かって8人がゆっくり歩き、そこに銀テープが飛び爆竹の音も上がるという演出も相まって、貫禄のパフォーマンスだった。そのまま、「DOMINO」に雪崩れ込む。サビの「DOMINO’DOMINO」というシャウトの破壊力たるや圧巻。その後は、ファーストフルアルバム「GO生(GO LIVE)」のリード曲であり、料理をモチーフにした振りが大きな反響を呼んで一気にStray Kidsの存在を世界中に知らしめた「God’s Menu」が続く。パフォーマンスの迫力は半端ではない。
アイエンが「『Thunderous』のチャンビンさんの『俺様の名前はなんだ?』のところが好きです」とうれしそうに言い、チャンビンがお礼を伝えた。迫力満点のパフォーマンスとは打って変わった、フレンドリーで微笑ましいやりとり。その振れ幅もStray Kidsの大きな魅力だ。
■万華鏡のように変化
フィリックスが「ここからもっと暴れてみましょうか?」と言った後、アイエンが「皆さんどんな好きがチーズですか?」と言葉遊びで、満面の笑みで「1、2、3、チーズ!!」と叫んだあとは「CHEESE」。ファットなビートにノリノリの8人。二つのステージと花道、8人が散り散りになりながら、所狭しと動き、シャウトも交えたり手を振ったりして、盛り上げていく。「YAYAYA」と「ROCK」をつなげ、アウトロでチャンビンが見事なアクロバットを決め、大きな拍手が起きた。