青山学院大の近藤幸太郎
青山学院大の近藤幸太郎
この記事の写真をすべて見る

 第98回の箱根駅伝は、往路優勝から復路でもトップを独走した青山学院大が2年ぶり6度目の総合優勝を果たした。10時間43分42秒の大会新記録、2位以下に10分以上の差をつけての圧勝劇で「史上最強」を見事に証明した形となったが、果たしてその強さは来年も続くのか。“早くも”ではあるが、2023年の第99回箱根駅伝の優勝争いと注目校を探りたい。

【ランキング】箱根駅伝、21世紀最強の大学はどこか?

 王者として臨むことになる青山学院大は、来年も間違いなく強い。むしろ今年以上だ。全10区間で卒業する4年生は、4区・飯田貴之と6区・高橋勇輝の2人のみ。エースに成長した近藤幸太郎(3年)が最終学年となってさらに力強さを増し、3区で区間2位と好走した太田蒼生(1年)、5区で山登りの適性を存分に見せつけた若林宏樹(1年)も成長が見込める。そして7区以降で好走した岸本大紀(3年)、佐藤一世(2年)、中村唯翔(3年)、中倉啓敦(3年)の4人が健在。今大会のメンバー以外にも1万メートル28分21秒の記録を持つ西久保遼や昨年11月の世田谷ハーフで優勝した田中悠登(1年)といった実力者が揃う。今回のエントリー全16選手が1万メートルを28分台という総合力の高さは変わることなく、来年は今回の大会記録を、さらに更新できる可能性を持っている。

 その“史上最強”青学に待ったをかけるのは、やはり駒澤大だ。今回は3区(区間16位)と8区(区間18位)のブレーキ区間もあって、青山学院大に11分15秒差をつけられての3位となったが、エース・田澤廉(3年)は2区で圧倒的な走力を見せ、1区の唐澤拓海(2年)が区間2位、5区の金子伊吹(2年)も区間4位と好走した。何よりチームは若く、全10区間中4年生は1人のみ。8区で足を痛めて失速した鈴木芽吹(2年)は本来、1万メートル27分41秒台の実力者であり、その鈴木が復活した上で、全日本1区で区間賞を取った佐藤条二(1年)、さらに1500メートル、3000メートル、5000メートルの高校記録を更新し、今春に入学予定の佐藤圭汰(洛南高)が適正距離を伸ばして箱根路にエントリーされれば、「2強対決」に勝利することもできるはずだ。

次のページ
“2強”に割って入れそうな大学は?