安倍晋三元首相と岸田文雄首相、麻生太郎副総裁
安倍晋三元首相と岸田文雄首相、麻生太郎副総裁

「二階派や森山派は首相、総裁候補がいません。そこに菅氏のグループも加わり、大きな塊になる。1つの派閥にまとまるかどうかは別にしてそうなれば、うちの石破氏が首相、総裁候補として、大きな看板になり、岸田政権と対抗できるという考えです」

 最近は二階俊博前幹事長の影もめっきり薄くなった。

岸田首相にやられているではないかと、二階氏の機嫌は悪い。こちらが劣勢なので、何か仕掛けなければいけない。それが菅氏のグループを派閥にして、非主流派が手を結び主流派に対抗しようという作戦です」(二階派幹部)

 しかし、主流派は安倍氏、麻生氏、茂木氏の3つの大派閥に岸田首相の岸田派という分厚い壁だ。なかなか切り崩せない。菅氏らの動きに応戦するように、岸田派もさっそく動いた。かつての仲間、谷垣グループに派閥へ移行するように働きかけを強めているという。

 昨年10月の総裁選では谷垣グループの大半は岸田首相を支援。岸田首相は谷垣グループから遠藤利明衆院議員を選対委員長、中谷元衆院議員には首相補佐官のポストをあてた。谷垣グループは現在、25人ほどが名を連ねる。谷垣グループ所属議員がこう話す。

「若手の何人かは他のグループにも名前を連ねているので、派閥化すれば、数人は減るでしょう。遠藤氏、中谷氏もしっかりと岸田政権に食い込んでいる。それに岸田派と麻生派はもともと宏池会の流れをくむ同門で、うちが派閥になって対等に話ができれば、強い影響力を発揮できる」

 岸田派所属の議員もこう歓迎する。

「谷垣グループを派閥にというのは、岸田首相が政権基盤を安定させる布石です。谷垣派となれば、岸田派、麻生派との大宏池会構想が現実のものとなる。仮に谷垣グループがすぐに派閥とならなくとも、こういう話が永田町で流れるだけで、菅氏や二階氏をけん制するには十分だ」

 そして最大派閥、安倍派の議員もこう話す。

「以前はケンカに弱いなどと評された岸田首相だが菅氏や二階氏に負けじという姿は高く評価できる。『やるじゃないか』と安倍氏も話しているそうだ」

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参院選に向け、派閥の主導権争いが激化