前述のPassenger Locator FormのQRコードを読んでもらい、店に入ることができた。

 バスターミナル前の売店。水のペットボトルを手にレジに並ぶと、そこでもワクチン接種証明が必要だった。レストランの席に座ると、ウエイターがまず、「ワクチン接書証明を」と口にする。僕のQRコードをなかなか読みとれず、紙の接種証明書を出した。ウエイターは一瞬、困ったような顔をして店長に訊きにいったこともあった。スマホに入ったQRコードがないと……と入店を断られたこともあった。

 ギリシャには5日ほど滞在した。その間にいったい何回、ワクチン接種証明書を提示しただろうか。確実に20回以上……。

 外務省の海外安全ホームページによると、日本のワクチン接種証明書が使用可能な国は74カ国(当時)。しかしこの証明書の使用は、入国時の防疫措置や免除が目的。「一部の国・地域において公共施設、レストラン等への立入りに際して同証明が使用可能であることを保証するものではありません」と書かれている。

 実際に使ってみると、同じ国でも店によってその対応はずいぶん違う。

 しかしそれ以上に問題なのは、僕の証明書。何回となく折りたたんだり開いたりしているうちに、折り目に穴があきはじめている。穴が文字にかかってしまったらまずい。早くパウチ加工でもしないと……。デジタル庁が「新型コロナワクチン接種証明アプリ」を公開したのは、そんなときだった。もう2カ月早く使えるようにしてほしかったが。

暮らしとモノ班 for promotion
窓拭きロボ、油なしのオーブン、脱臭ハンガー…家事に革命を起こす"時短家電”
次のページ
コロナ禍のギリシャの様子を動画で