コロナ禍でもおいしい物が食べたい、でも手間をかけて作るのは面倒くさい。そんなニーズに応えるべく、SNSではたくさんのバズりレシピが誕生した。一般ユーザーに留まらず、企業公式発レシピもある。AERA2022年1月3日-1月10日合併号の記事を紹介から。
【写真】「柿トッツォ」に「背徳のバウムクーヘン」…“バズりレシピ”の数々を写真で紹介
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企業公式ながら、バズりレシピメーカーともいうべきアカウントがある。それが全農だ。
「国産の農畜産物のよさを発信したい、食べたいと思ってほしいと、日々ツイッターのネタを探しています。別の部署から『○○が豊作なので取り上げて』と連絡が来ることもあります」(JA全農広報・調査部広報企画課の福田敦子さん)
キャベツ丸ごとをくし形に切って鶏肉と煮たものには、<キャベツって刻むのが大変じゃないですか>とあり、“わかってくれている感”も心憎い。
では、さらにおいしくするにはどうすればよいか、科学する料理研究家のさわけんさんに聞いてみた。
「キャベツを半割にして煮込むのは、フランスの田舎料理によくあります。厚手の鍋で鶏肉とベーコンをさっと焼き、白ワインを注いで鶏肉のダシ汁を少々加え、キャベツを入れて蓋をしてオーブンでじっくり煮込むというものです。今回のレシピは水分少なめの蒸し煮にし、ベーコンでスモーキーな香りを付け、旨みを増やしました」
キャベツを丸ごと使うと虫が心配だというなら、芯ごと4分割し、酢水につけ1時間ほど置くことだ。すると虫が酢水に落ちるという。
実食すると、キャベツの甘みがすばらしい。2人で1玉は瞬殺だ。
■「焼かねば!」と使命感
全農の公式では、焼き柿もバズった。ヘタを切り落としてトースターで焼くだけで、トロリとカスタードのような甘さが味わえるという。<焼き柿、私の中で柿革命3.0が起こりました>とのつぶやきに、「焼かねば!」の使命感が止まらない。
「少し軟らかめの柿を使うといいですよ。さらに軟らかくしたいときはラップに包んでレンジで加熱してみてください」(さわけんさん)
今年流行のマリトッツォにちなみ、焼き柿を使った柿トッツォも作ってもらった。