強豪国を見てもGKの重要性が分かる。近年のW杯優勝チームの正GKの年齢(大会出場時)とA代表デビューの年齢を調べると、1998年フランス代表のファビアン・バルテズ27歳(代表デビュー22歳)から、2002年ブラジル代表のマルコス28歳(同26歳)、2006年イタリア代表のジャンルイジ・ブッフォン28歳(同18歳)、2010年スペイン代表のイケル・カシージャス29歳(同19歳)、2014年ドイツ代表のマヌエル・ノイアー28歳(同24歳)、2018年フランス代表ウーゴ・ロリス31歳(同21歳)と続く。特にブッフォン、カシージャスなどは若くから正GKとして活躍し、まさに「守り神」と言えるパフォーマンスと絶大な存在感で自国に歓喜をもたらした。
カタールW杯の開幕は11月21日。1月の強化試合は中止となったが、残り4試合となったアジア最終予選、さらに7月の東アジア選手権、強化試合を通じてチームを進化させていく必要がある。その際に、進境著しい若手GKをスタメンに抜擢し、経験を積ませることは間違いなく有意義なことだ。格上チームからの勝利が求められるW杯本大会では、ビッグセーブでチームを救えるGKの存在は不可欠になる。日本代表が誇るレジェンドGKと言えば、川口能活と楢崎正剛の2人の名前が挙がるが、ともにA代表デビューは21歳のとき。彼らのような“若き守護神”の出現と誕生を待ちたい。