霊視芸人として生きていくきっかけになったというマツコ・デラックス
霊視芸人として生きていくきっかけになったというマツコ・デラックス

――霊視芸人としての転機になったのは、20年3月の『ホンマでっか!?TV』への出演でした。

 芸人を辞めようとしていたタイミングだったので、もし番組に呼んでいただけていなかったとしたら、芸人を辞めていたと思います。“おばけ”は小さいころから見えていましたけど、自分で霊視芸人として売ろうとは全く思っていなかったですから。 

――出演時に、マツコ・デラックスさんを霊視されていました。

忘れられません。マツコさんの生霊も、大悟さんや二宮さんとは違った形で、かなり特殊でした。マツコさんには自身の生き霊がなくて、中身がぽっかり空洞みたいになっていました。僕には、空洞が自分を押し殺した状態に見えました。

 おそらくマツコさんは、「マツコはこうあってほしい」という視聴者の理想を全部かなえてあげるキャラクターになるために、本当の自分を殺す決断をして、自分を空っぽにしたんだろうなと思いました。ピカチュウやドラえもんのような、マスコットキャラとしてのマツコ・デラックスに徹しているんです。楽しい、つらいといった感情を全部押し殺して、みんなの喜ぶ自分を演じきっている。すごくしんどいんじゃないかと思ったんですけど、そのしんどささえも殺してしまっているんだろうなと。

 そうした僕の見解をお伝えしたら、本人も「これは当たってんのよ」とすごく納得してくださって、収録後もお話ししてくださった。この経験が、霊視芸人として生きていけるようになれた大きなきっかけになっています。

――今後チャレンジしたいことがあれば教えてください。

 視ている人の信頼を失わずに、心霊で笑いを生む方法を模索していきたいです。実は今は心霊ブームで、YouTube上では日々ものすごい数の怪談が投稿されているんです。

 せっかく心霊ブームが来ていても、楽しめるものじゃなければ最終的には衰退すると思うので、怖いという要素に笑いを混ぜて、エンタメにしていきたい。たとえば、ビビり芸人に心霊スポットに行ってもらうとかでも、何でもいいんです。うそではない、本当のことだけれども笑えて、でも何か映っている可能性もある、といったように、見ている人たちの信頼も失わないでできるような、心霊とお笑いを融合させた新しいエンタメを築いていけたらと思っています。(構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)

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