「自民党として組織的関係がないことを既にしっかりと確認をしております」7月26日、自民党 の茂木敏充幹事長が、自民党と旧統一教会(以下、教会と呼ぶ)との関係について、こう断言する映像がテレビやネットで流れた。
そのわずか2日後、これを全面否定するようなニュースが報じられた。
「安倍さんが、『統一教会に頼んでちょっと足りないんだウチが』と言ったら『わかりました、そしたらちょっと頼んでアレ(支援)しましょう』ということで」
これは、伊達忠一元参議院議長の言葉だ(HTBの放送)。安倍さんとはもちろん、安倍晋三元首相のこと。伊達氏が2016年の参議院選挙で支援していた宮島喜文候補の得票が当選ラインに届かない状況だったので、安倍首相(当時)に頼んだら、安倍氏が教会の票を上積みしてくれたということを意味する。その結果、宮島氏は当選した。少なくとも、このケースでは、時の総理が、教会の票を割り振る役割をしていたということになる。
伊達氏は当時、細田派(現安倍派)に所属し、当選した宮島氏も同派に入会した。少なくとも、当時の細田派と統一教会は、組織的に結びついていた。そして安倍氏がそのトップとして君臨していたわけだ。
実は、それから6年後の今年、参議院選挙で奇妙なことが起きた。統一教会のおかげで当選したという宮島議員が、一度自民党の公認を受けたのに、なぜか、これを選挙前に辞退したのだ。極めて異例である。前出の伊達氏によれば、安倍氏から、今回の選挙では、教会の票を井上義行候補に割り振るので、宮島氏には回せないと言われ、それでは当選は難しいということで宮島氏が(表向き)自ら公認を辞退。立候補も取りやめたという。井上氏は、第一次安倍政権で安倍氏の秘書官を務めた人物だが、党内の評判はすこぶる悪い。しかし、安倍氏は、身内を優先して現職の宮島氏を切った。なんとも自分勝手な振舞いではないか。