在宅時間が長くなった影響で、自宅のリフォームが増えている。今春には一部メーカーによる価格改定も。下調べなしに申し込むと高くつく。AERA 2022年1月17日号から。
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不動産流通経営協会の調査によると、2020年度に首都圏で住宅を購入して引き渡しを受けた人のうち34.2%が「住宅購入にコロナが影響した」と答えた。そのうち54.3%が「当初予定よりも購入時期を早めた」。マイホーム購入はまだ先、と考えていた人たちが世相に後押しされる形で動いたわけだ。
リフォームの注文も増加している。矢野経済研究所の調べでは、20年度のリフォーム市場は前年度比1.6%増だが、内訳を見ると上期(4~9月)は前年度同期比9.7%減、下期(10~3月)は13.6%増。続く21年上期も18.8%増。買い替えはしないが、リフォームで少しでも快適に暮らしたいという気持ちが表れている。
東京都杉並区のリフォーム会社、アイネックス代表の小池信之さんに聞いた。
「当社の売り上げはコロナ前の19年に対して、20年、21年ともに1~2割の増加です。特に21年10月、緊急事態宣言明け以降は急激に増えています」
フルリフォーム以外で多いのは、テレワークスペースの確保、風呂、そして食洗機設置を中心とするキッチン回りの順だ。
■テレワーク永続かも
オフィスが、決まった座席のないフリーアドレス制に変わった例をよく聞く。いつか終わると思っていたテレワークが永続するかも──。住まいの中で快適に仕事ができるスペースを、本腰を入れて作る気にもなる。
都内に築17年の中古マンションを買った夫婦は二人ともテレワークなので、購入と同時にリフォームをした。内容は仕事スペースの新設、床暖房の交換、壁・天井クロスの張り替えなど。新たに仕事部屋を増やすと費用がかさむため、17.5畳のリビングの一角を仕切って3.6畳のスペースを設けることに。スペースを仕切りつつリビングとの自然なつながりを保つため、全面ガラス張りとした。