仕切りを追加する工事は比較的費用が抑えられるが、盲点だったのは空調。部屋を区切ってしまうとテレワークスペースの中にはエアコンを付けられないことがわかった。そこで上部に大きめの換気窓を作り、リビングの空調を取り入れられる形に。時節柄、コロナ対策として大切な「換気」にも対応できた。
風呂のリフォームが増えている理由はなんだろう。風呂と食洗機のリフォームをした都内在住の48歳女性に聞くと、コロナ前は余裕がなくシャワーで済ませていたが、テレワーク生活になって湯につかり始めたという。「一日中、家の中にいると、風呂くらいしかオンとオフの切り替えができないから」。バスタイムが癒やしの時間になっているようだ。
「そのかわり水道代は3倍にアップしました。水道局から『漏水していませんか?』という問い合わせがきたほど(笑)」
日々、風呂を楽しんでいると天井の小さな染みや微妙に古びた壁、無駄に大きな換気扇の音が気になり始めた。21年前の風呂なので、何もかも古い。調べてみたら“いまどきの風呂”は驚くほど進化していた。先の小池さんも言葉を添える。
「今は同じサイズのバスタブでも、スペースをうまく使って、ゆったり足を伸ばせる形になっています。築年数の長いマンションだと、浴室の壁と浴槽の間に空間があるケースが多く、浴室自体を10~15センチほど広くできることも。浴槽や浴室の床を自動洗浄したり、除菌したりする機能もつけられます」
■風呂床の洗浄に20万円
48歳女性の風呂リフォームは、床の自動洗浄機能が決め手になった。面倒な風呂床掃除がボタンを押すだけで終わるなんて。オプションで20万円ほどだったが「これで風呂掃除から解放されるなら安い」と考えた。バスタブや壁、水栓もすべて取り換えたので、総額は約95万円。
ついでに食洗機をリフォームしたのも「毎食の皿洗いを楽にしたい」という思いから。朝から晩まで、何か食べたり飲んだりするたびに洗い物が発生するのが嫌だった。今使っている国産の古くて安い食洗機だと、ある程度は洗ってから入れないと汚れが落ちない……。調べてみたら、ドイツのミーレ社やガゲナウ社の食洗機は汚れ落ちが段違いと知った。