大人になってからは、上野と札幌をつないで2015年に引退した夜行寝台列車の「北斗星」にも乗りました。日が沈み明け方になって夜が明けていったり、街が雪景色に変わっていったり……。時間の経過とともに流れる風景を、車窓から楽しむのはなんて贅沢(ぜいたく)なんだと思います。
私は、鉄道のジャンルでいうと「小鉄(こてつ)」です。鉄道は好きですが、鉄道マニアの方に「大好き」というのはおこがましいので。「こてっちゃん」です(笑)。
今は、時間に追われない列車の旅をしてみたいですね。どうしても、何時までどこに着いてどこに宿泊してと、スケジュールが細かく決められています。そうじゃない、どこを目指すのでもなくどこに着くのかもわからない、そういう列車の旅をしたいです。
(構成/編集部・野村昌二)
※AERA 2022年8月8日号